2023年度果実販売反省会 産地と市場らで情報を共有

JA上伊那
取り組み内容を説明する市場担当者
取り組み内容を説明する市場担当者

JA上伊那果樹部会は3月12日、伊那市のJA本所で2023年度果実販売反省会を開いた。各専門部役員や若手生産者、同JAが出荷する7つの市場や運送会社の役職員ら合わせて53人が出席。23年度の販売実績や取り組みなどを報告し、産地の栽培・販売情報や市場の販売現場状況などについて意見を交わした。
23年度は梨やリンゴを中心に春先の凍霜害による着果不足や夏場の高温干ばつによる小玉傾向が見られたが、全国的にも出荷量が少なく高単価で推移。果実全体の市場への出荷量は、豊作だった22年度の85%の約3069トンに対し、販売高は目標を大きく上回る13億3000万円(前年比110%)となった(1月末現在)。
JAと市場で連携し、生産者による販売先での試食販売や上伊那フェアなどの消費宣伝を数多く開催。また、上伊那産リンゴの玉揃いの良さからパックを使わない簡易包装での出荷で資材コストを抑える方法や、着色不足や小玉果などを訳あり商品として販売するなど、生産者の所得向上に取り組んだ。
意見交換では、近年の消費者需要の動きや高単価の維持について意見が出され、試食販売を含む消費宣伝や産地と市場のこまめな情報交換が引き続き重要になるとした。また、物流の「2024年問題」への対応についても、パレット積みで荷下ろしの時間短縮を図っていることや、輸送を円滑に行えるよう等級階をまとめる簡素化を検討していることなどを報告した。
市場担当者からは「上伊那産は品質や食味がとても良く、期待を裏切らない。今回の試食販売はとても好評でぜひ回数を増やしたい」「全国的に栽培面積が減少する中、上伊那は拡大傾向で期待ができ、生産者の想いや努力が伝わる産地だ」と評価を受けた。
同部会の村上孝治部会長は「気象に悩まされた1年だったが、皆さんの協力でいい結果を残すことができた。近年、変動の大きい気象問題の対策も取りながら、24年度もみんなでいい結果を残していきたい」と話した。

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