JAが諏訪湖の「利水と生態系保全を目的とした諏訪湖の浚渫(しゅんせつ)」勉強会に参加

JA信州諏訪
台船に載せた重機で湖底の泥をさらう作業。JA職員ら構成員が見学した
台船に載せた重機で湖底の泥をさらう作業。JA職員ら構成員が見学した

JA信州諏訪は3月14日、官民協働による「諏訪湖創生ビジョン推進会議」の構成員として「利水と生態系保全を目的とした諏訪湖の浚渫(しゅんせつ)」勉強会に参加した。JA管理部協同活動推進課の職員2人、他団体の構成員や地域住民ら計53人が出席。遊覧船内から工事の様子を見つつ、諏訪地域振興局の職員から解説を受けて湖の歴史や現状、今後に理解を深めた。
しゅんせつは2月上旬から4月下旬まで、県諏訪建設事務所が湖上や観光利用が多い諏訪市湖畔公園沖で行っている。諏訪湖は現在、流入河川からの土砂の堆積などによって年々水深が浅くなり、舟の航行などへの影響が懸念されている。工事場所の現在の水深は2.5メートル程度。台船に載せた重機で湖底の泥や土砂をすくい、水深3メートルになるよう2400立方メートルの泥を取り除く。その後土壌改良剤を混ぜ、諏訪市霧ケ峰の土場に運ぶ。
JAは同会議の構成員として毎年、春秋の諏訪湖一斉清掃、夏の水草ヒシ取除去作業に取組み、水質浄化、水草による景観の悪化防止に努めている。今回のしゅんせつ工事も参加し、JA一丸となって諏訪湖美化への意識をさらに高める考えだ。
諏訪湖では1960年代に水質悪化が問題になり、水質浄化を目的としたしゅんせつを2007年まで実施し、効果が得られたという。昨年3月、人と生き物の共存などを掲げ、諏訪湖の将来像実現への道筋を示した「諏訪湖創生ビジョン」を改訂。利水や生態系保全のためのしゅんせつの検討を掲げた。同会議内でつくる「ワーキンググループ」がしゅんせつする場所や方法を検討。今回の工事を決定した。今後は、利水状況やヒシの繁殖を抑えられるかなどの検証を行う。
参加した同課の折井康彦課長は「昔は諏訪湖で泳げたと聞く。流域の暮らしの変化により水質など悪化した時期があったが、生態系を保全し、再び美しい諏訪湖を取り戻すため、大変勉強になった」と話した。

MENU