なし産地の復活へ取り組み具体化へ 南信州日本なし産地再生プロジェクト

JAみなみ信州
事例発表をする北沢さん
事例発表をする北沢さん

長野県や市町村、JAみなみ信州など農業団体、生産者で構成する南信州日本なし産地再生プロジェクトは2月16日、飯田市の鼎文化センターで2024年度日本なし生産振興大会を開いた。関係者200人が参加し、そのうち同JAなし部会員70人も参加。「魅力ある産地づくり~稼げる産地の再構築~」を掲げた同大会では長野県のなし生産振興・流通の現状や課題、各関係団体の今年度の活動などについて報告。来年度へ向けて関係者一丸となってなし産地の復活へ取り組むことを確認した。
同大会では現地優良事例として、同JAなし部会員の北沢章さん(松川町)が取り組む「日本なしジョイントV字仕立て栽培」の経営概況や作業性の向上・省力化、V字ジョイントと品種の適応性や課題について発表した。北沢さんは「課題もあるものの、身体への負担軽減も含め収量・作業性とも向上しており手応えを感じている」と説明した。
同JAからは梨生産振興方針の中で、優良新品種の導入による長期出荷により生産量の維持を目指すことや、今年度管内生産者の協力で新品種「南農ナシ6号」の生産振興、「香麗」「幸秋」のモデル園地での試験栽培に取り組むことなどを説明。また4年前から取り組むモデル園地での梨Y字仕立て栽培の経過についても報告するなど、同JAとしても引き続き生産者と協力して生産振興を図り取り組んでいくとした。
同JAの寺沢寿男組合長は「このチャンスの時に行政、関係団体、生産者が一致団結して同じ方向を向いて産地振興に努め、南信州産のなしで売り場をしっかり繋いていきたい」とあいさつした。
同プロジェクトでは(1)人材確保(2)技術開発(3)品種育成④販売選戦略の4つの課題に対し令和9年度まで地域一丸となってなしの産地づくりに取り組む。昨年に続き今年度も日本なしを使用した菓子等の商品化キャンペーンも行い消費拡大にも努めていく。
また東京青果果(株)実第2事業部の森本隆史氏を講師に「市場から見た日本なしの情勢」について講演も行い老木園の更新や早期多収・省力ができる樹形での栽培をすすめ産地振興に努めていくことを確認した。

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