担い手コンサル 理念共有から開始経営の見える化

JA信州うえだ
GFCとコンサルチーム
GFCとコンサルチーム

JA信州うえだは、2022年1月から信用部門と営農部門が連携して取り組む担い手コンサルティング事業を開始した。
担い手コンサルティングは、JAの営農・信用部門と長野県信連が連携してチームを組み、農業者のもとに出向き経営分析や改善点などのアドバイスを行う事業。
上田市川西地区で、米の委託作業54ヘクタールを行う農事組合法人生産組合GFCがコンサルティングを22年7月から受けた。「第三者の立場からの改善提案が必要だった」と代表の宮崎一男さん(69)は話す。コンサルティングチームは、22年7月からGFCの今後の方向性についてヒアリングを行い、財務・品目別収支分析を開始。「地域の農業を守り、働きやすい農事組合法人の実現」に向け、収益性の向上と安定経営の実現に向けた7つのソリューション(解決策)の提案を行った。
コシヒカリと収穫期がずれる「風さやか」を導入し作業分散や倒伏リスク軽減を提案。また、スマートフォン等で水位が確認できる水管理システムや土壌診断によるオリジナル肥料の施肥による省力化や反収の向上、免税軽油による経費削減などの収益性向上に向けた提案。そして、安定経営の実現と事業継承に向け農業研修生や里親研修の受け入れ、農機のリース契約や各種補助金・融資を利用した設備投資、事業継承に向けた財務の健全化などを中長期ビジョンにまとめJA各担当が伴走支援を行っていく。
チームの一員である同JA金融共済部融資課堀内翔太さん(35)は「なりたい姿になるための提案でないとコンサルティングする相手に響きません」と、基本理念や方向性を確認することの重要性を話した。
また、コンサルティングを受けたGFC代表の宮崎さんは「法人としての方向性を再確認する上でも参考になった」と話した。
今後、チームは年一回振り返りの場を設け、新たに発生した課題に対応していく。

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