若手生産者意見交換会 10億円産地に向けて情報を共有

JA上伊那
こだわりや栽培の工夫を伝える金井さん
こだわりや栽培の工夫を伝える金井さん

JA上伊那野菜部会アスパラガス専門部は2月13日、伊那市のJA本所で若手生産者意見交換会を開いた。50歳以下の生産者やJA役職員、JA全農長野の担当者ら約40人が出席。10年後に販売高10億円を目指す産地として栽培管理方法などの情報を共有した。
意見交換会はJAの主力品目であるアスパラガスのさらなる生産拡大と生産者同士の交流を深めることが目的。他品目に比べて、特に多くの若手が活躍している同専門部では、若手の想いをJAや市場へ届けようと、昨年度から意見交換会を開いている。
上伊那のアスパラガスは県内生産量の3分の1を占め、高い品質で市場からの期待も高まっている。JAでは2023度から、アスパラガスの計量結束機を使った共選化の試験運用を始めるなど生産者の負担軽減や、品質の均一化に取り組み、さらなる生産拡大を図っている。
この日は、今年の長野県野菜品質向上共進会で最高位の農水大臣賞を受賞した南箕輪村の金井健二さん(63)が、経営上のこだわりや栽培管理に取り入れている工夫を発表。可能な限りの機械化や省力化を進めるなど作業効率を大切にしていることや、反収ではなく一人当たりの生産性と品質向上を図っていることを説明した。金井さんは「自分がここまでできたのは周りの皆さんのおかげで、人と人との『縁』は自分の努力以上に大切だと思う。皆さんも縁を大切に栽培に取り組んでほしい」と伝えた。
若手生産者は除草作業や茎葉の刈り取り作業の効率的な方法や、病害虫対策などについて質問し、意見を交わした。
そのほかにも、今年3月から本格的に利用を開始する「ほ場カルテシステム」や、出荷の下位等級のアスパラガスを使用した大手コンビニとのコラボ商品の結果と今後についても説明。生産拡大に向けた栽培管理方法や農家所得向上の取り組みについても共有した。
同専門部の永由喜芳専門部長は「今後を担う若手生産者の意見を取り入れることができる機会。お互いに情報を共有しながら上伊那のアスパラガスの生産を高めていきたい」と話した。

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