ビニールハウスの廃材を利用した脚立を製作 富士見高校園芸科機械・環境コースの3年生

JA信州諏訪

富士見町の富士見高校園芸科機械・環境コースの3年生11人は2023年度、ビニールハウスの廃材を利用した脚立を製作した。取得資格の実践を積み、チームワークや資源の有効活用を学ぶ授業の一環。生徒は仲間や先生と歩んだ3年間を胸に、学びを生かし、春からはそれぞれの場所で活躍する。
同校着任4年目で今年度から同コースを担当する中村長男教諭の指導のもと、初めて実施。生徒は2年生の時に長野県溶接協会の「ガス溶接技能講習」を修了した。これは、可燃性ガスおよび酸素を用いて行う金属の溶接・溶断・加熱の業務をするために必要な講習。今回の授業は、「資格を取得するだけでなく役立てて、社会に出て生かせるよう実践を積んでほしい」(中村教諭)との思いでカリキュラムに取り入れた。
生徒は昨年9月頃から、学校内で以前使っていたビニールハウスの廃材を収集。その後、見本の脚立を参考にしながら金ノコで廃材を切断し、ガス・アーク溶接装置で溶接・溶断。ワイヤーブラシ掛けを行い、各々好きな色のスプレーで塗装。12月、高さ約1メートルの脚立が完成した。
1月18日に同校で開いた「課題研究発表会」で他の生徒や保護者にお披露目。材料や作業工程、製作を振り返っての感想などの発表も行った。
小椋梓さん(18)は「溶接は難しかったが、出来栄えは100点。赤と青のスプレーをグラデーションにして塗装し、天板にはラメを塗るなど見た目にもこだわった」と胸を張る。小澤拓実さん(17)は「踏み台部分に独自で足場板を使ったのがポイント。深海をイメージし、深い青色で塗装した。製作を通して、コツコツと作業を進める大切さを学んだ」と振り返る。尾関響さん(18)は「脚立には授業で学んだこと、これまでの自分の“人生”が詰まっている。仕事では同じようにはいかないかもしれないが、溶接の経験が少しでも生かせればうれしい」と話す。小椋さん、小澤さん、尾関さんはこの春から、ものづくりの仕事に携わる。
中村教諭は「製作を進めていくうちに、生徒はどんどんたのもしくなり、授業が楽しい、面白いと言ってくれて本当にうれしかった。卒業後も大活躍してもらい、自信をもって仕事をしている姿を見せてほしい」と期待を寄せた。

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