産者・JA・売り先の連携で計画を上回る販売実績を見込む

JAみなみ信州
1本ずつ生産者が丁寧に行う土付きねぎの出荷作業(長野県喬木村で)
1本ずつ生産者が丁寧に行う土付きねぎの出荷作業(長野県喬木村で)

JAみなみ信州野菜部会ねぎ専門部と同JAは22日、今年度の出荷が続く中、飯田市鼎の同JA本所で令和5年度白ねぎ生産販売反省会を開いた。同JA役職員、同部会員、全農長野、市場関係者らおよそ90人が一堂に会し今年度の生産、販売経過及び次年度対策について共有した。
同JAでは産地ブランド「土付きねぎ」を中心に売り先を明確にした値決め販売を行っている。年末の最需要期には数量確保に苦戦したが生産者や販売先との連携を密にし、特別受け入れを行うなど重点実需者を優先した販売を行い今年度の計画分を完納することができた。12月末現在、ねぎ全体でおよそ725トン(前年比58%)、およそ1億7,000万円(前年比63%)の販売実績となっており、今年度は2億1,000万円(前年比76%)の販売金額を見込んでいる。
佐々木清専門部長は「今年度は気候変動に振り回され非常に苦慮した。これからも厳しい環境が予想される中ではあるが、高品質な栽培に努力を続け、関係者の皆さんにご協力いただき来年度に向けしっかりと対策を講じていきたい」とあいさつした。
今年度は夏場の高温干ばつをはじめとした異常気象により全国的にも生産量が減少し、細物傾向と品質にも大きな影響がある難しい栽培環境となった。その中でも収量増、食味・品質向上を目指し、今後新たに取り組む品種「項羽一本太」も振興していくとして同会の中で高品質な栽培に向け研修も行った。
大果大阪青果㈱の山田憲彦課長は「難しい栽培環境の中でも品質クレームが例年に比べ少なかったことは生産者の高い栽培技術や努力の賜物。産地の品質格差の是正にさらに取り組んでいただきたい。南信州産ねぎのファンがしっかりついているので、計画通りに出荷いただければしっかりと売っていく」と期待を込め提言した。
白ねぎは同JAの冬の野菜の主力品目。鮮度を保ちインパクトのあるこだわりのパッケージで差別化した「土付きねぎ」をメインに部会とJA、販売先が連携した販売で高品質で信頼の高い産地となっている。今年度は2月中旬頃まで出荷が続く見込み。

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