持続可能な長野市農業をめざして 長野市農政懇談会

JAグリーン長野
長野市の農業を本気で考えると栗林組合長があいさつ(長野県長野市、1月29日)
長野市の農業を本気で考えると栗林組合長があいさつ(長野県長野市、1月29日)

長野市農業協同組合協議会(JAながの、JAグリーン長野)は1月29日、市内宿泊施設で開かれた「長野市農政懇談会」に出席した。感染症の影響により3年ぶりの開催となった懇談会は今年度、経済振興議員連盟が主催し、同市農業委員会、長野市農林部、両JA組合長が出席。各団体の農業振興にかかる取り組みや課題を報告、「10年後の長野市の農業」を見据えた農業振興方策や、課題対応策などについて意見交換するほか、協議会が農業関連団体に対し、農業振興に向けた手厚い支援を求めた。
懇談では、各団体が進行中の農業振興策を報告。JAグリーン長野は、生産者が作りたいものから「市場ニーズ(価値)の高い農産物の生産」の転換をめざし、生産部会や担い手に市場の情報を踏まえた品目提案と導入を推進。また、若手生産者が加入する青壮年部との対話や協同活動によるニーズの掘り起こしとJAへの理解醸成につなげている。肥料価格高騰への対策として、「肥料・農薬・果実袋の年間特別予約」を通じた早期ロットの確保とこれによる安定価格での提供により生産コスト削減につなげていることを報告した。
JAながのは、同JA独自の産地計画をもとに、10年15年先を見据えて策定した「計画」の進捗状況を報告。2023年から25年度の3カ年において大規模予算を計上し、営農経営支援として肥料価格高騰に対する支援策を展開。また、農産物の価格転嫁へ向け、行政への農政運動を行うとともに、自ら価格形成対策を講じるため、リンゴの「機能性」をPRした消費拡大策に取り組み、生産者の手取り確保につなげていることを報告した。
これらを踏まえた意見交換では、農業委員会による「地域計画」の策定において「担い手就農者の初期負担の軽減」に要望が集まったことが報告され、関係団体で支援策を検討することを共有。また、国の基盤整備事業と計画を連動させ、農業団地化と担い手への集約を行っていくことが提案された。
JAグリーン長野の組合長で栗林和洋協議会長は「昨年の農業生産は凍霜害や高温干ばつなど非常に苦しく、また、生産資材の値上がりによって、生産者から“農業を続けられない”という悲鳴も聞こえる。農業後継者不足も課題となっており、本日ご参集のみなさんと長野市の農業を本気になって考え発展させてまいりたい」と協力を求めた。

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