伊那市の花卉農家、矢野源彦さん(59)が栽培したアルストロメリア(品種:ピンクティアラ)がJA全農長野と全農長野花き専門委員会主催の第53回信州フラワーショーウィンターセレクションにおいて最高位である農林水産大臣賞を受賞した。矢野さんの農林水産大臣賞受賞は初めて。1月26日、同市にあるJA南信会館の会場で授賞式が行われた。
矢野さんは栽培面積約42アール、年間約42万本を出荷するアルストロメリア農家。父親から24年前に経営を受け継いだ。
様々な要因により農業全体を見ても燃料コストや各種資材コストが高止まりする中、今年度は夏の高温にも悩まされた。アルストロメリアは夏・秋の管理で品質、数量に影響が出るため、管理にとても苦労したという。対策として地中冷房を入れるほか、気候によっては遮光やハウスの開閉を頻繁に行うことでアルストロメリアに適した環境を維持してきた。今回はまとまりが良く、草姿とのバランスが良いアルストロメリアと評価された。
矢野さんは受賞に際し「いつかは大きな賞を取りたいと栽培してきた。感無量です」と喜びを語った。
名誉ある賞を取ったことにより、身の引き締まる思いでこれからも栽培技術の研さんに努めるとも話した矢野さん「若い人や新規就農者の見本となるような取り組みをこれからもしていきたい」とさらなる展望を話した。
管内ではほかにも最高位に次ぐ農林水産省農産局長賞など、33点の受賞のうち20点を上伊那の生産者が占め、最も多い受賞数となった。