雪の中で甘くなる小谷村の特産品 雪中キャベツの出荷が始まる

JA大北
収穫した雪中キャベツを集荷場に持ち込む生産者
収穫した雪中キャベツを集荷場に持ち込む生産者

長野県の北部に位置する小谷村では、雪の中で熟成させた「雪中キャベツ」の出荷が1月9日から始まっている。雪中キャベツは、一般的なキャベツに比べて甘みが強く、柔らかく、ジューシーなのが特徴。雪中キャベツの栽培は、2017年に発足した「信州おたり雪中キャベツ生産組合」が行っており、生産農家の技術の統一化やブランド化に取り組んでいる。
雪中キャベツは、収穫期を真冬に合わせて、根をつけたまま雪の下で育てる。雪の中では、気温が0度ほどに保たれているため、キャベツは凍らないように体内の水分を糖分に変える。その結果、糖度が高くなり、甘味が強くてみずみずしいキャベツになる。雪中キャベツは、雪の中で2週間以上熟成させてから収穫するため、一般的なキャベツの糖度が4~5度に対して、8度以上、高いときで10度にもなるという。
雪中キャベツの生産は、同村の農家らが結成した「信州おたり雪中キャベツ生産組合」が行っている。今年は約1.4アールに約25,000本の苗を定植。苗については2019年より全て同村内で育苗を行い、同村の気候に慣らすことで、品質の向上を図っています。今年は降雪が昨年よりは遅かったが、安定した積雪や気温の冷え込みもあり、甘みがしっかりとのった高品質のキャベツが完成しました。玉の大きさも2キロ程と平年並みで、収穫量は14,000玉を見込んでいる。1月中をピークに収穫、出荷作業が行われます。同JA北部営農センター小谷センターの小口爽真さんは「令和5年度は異常気象に見舞われましたが、各生産者の努力で高品質の雪中キャベツが収穫できました。」と話している。
雪中キャベツの収穫は、1月から2月にかけて行われる。雪が2メートルも積もる年もあるため、重機やスコップを使って雪を掘り、キャベツを傷つけないように丁寧に収穫する。雪中キャベツは生で食べてもおいしいですが、お肉と炒めたり、ロールキャベツにしたりすると、さらに甘みが引き立つ。また、キャベツの芯は天ぷらにすると、サクサクとした食感が楽しめる。雪中キャベツは同JA農産物直売所「ええっこの里」のほか、同村の道の駅や県内一部スーパーなどで販売されている。

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