リンゴ栽培推進大会 リンゴ産地としての発展に向けて情報共有

JA上伊那
上伊那の発展を話し合う生産者ら
上伊那の発展を話し合う生産者ら

JA上伊那果樹部会りんご専門部は1月16日、伊那市のJA本所でリンゴ栽培推進大会を開いた。生産者やJA役職員ら58人が出席。今年度の栽培の振り返りや、4年ぶりに行われた先進地イタリアへの研修の視察報告、リンゴ産地としての発展に向けたグループワークが行われ、今後の栽培に向けて情報を共有した。
同大会は課題を整理して、さまざまな情報を今後の栽培管理に活かし、品質向上や生産拡大、生産意欲向上につなげることを目的としている。
今年度は暖冬で推移し開花時期が早まったものの、4月の凍霜害によるサビ果や夏場の高温・干ばつによる小玉果・着色不良、ハダニの発生などが多く見られ、生産量は目標の93%、2270万トン(2023年12月末現在)にとどまった。
来年度は講習会や研修会による情報収集や生産者同士の情報共有に力を入れ、近年の気象に合った栽培方法でさらなる品質の向上を目指す。また、高密植栽培技術の確立を図るため、若手生産者のグループを新たに設け、優良品種検討や摘花・摘果剤の有効利用など産地発展に向けた試験栽培に取り組む。
視察報告では先進地のリンゴ高密植栽培を学んできたJA職員と生産者が、作業の機械化を見据えたリンゴの木の仕立て方や実際に取り入れている機械の紹介、近年の栽培管理上の変化など現地の様子を報告。上伊那を県下一の産地にするためには基本的な管理の徹底や個別指導の強化を図り、全体の平均反収を上げることが大事だと呼びかけた。
その後、7つのグループに分かれて話し合いを行った。生産者は高齢化が進む中、地域全体で担い手が見つかりやすい園地づくりに取り組むことや、専門的な知識が必要な防除や剪定作業を共同で行うことで技術を伝えていくことなどが大事だと意見を出し、上伊那全体の目標を全員で共有し、情報交換しながら、「上伊那」のブランド力を上げていこうと話した。
同専門部の小川忠義専門部長は「高密植栽培の拡大や後継者不足、自然環境の問題などさまざまな課題がある。上伊那のリンゴ栽培をより良くしていくためにはみんなで意見を出し合って協力して解決していこう」と呼びかけた。

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