キュウリ反省会及び栽培研修会 新しい栽培方式を共有

JA上伊那
生産者に呼びかける大槻部会長
生産者に呼びかける大槻部会長

JA上伊那野菜部会は1月17日、JAの協同会社株式会社グレースが運営する多目的施設「アイパル」で、キュウリ反省会及び栽培研修会を開いた。生産者や卸売市場の担当者ら33人が出席し、今年度の出荷実績を確認した。また今後、管内でも導入を進める「養液栽培及びつる下ろし栽培」の概要や「簡易雨よけハウス栽培」の実証試験結果を共有した。
管内のキュウリは春、夏秋、抑制の3作型で栽培し、4月から10月まで出荷している。今年度は春先の最低気温が平年よりも低かったことで夏秋作の初期の生育が遅延。また、ネコブセンチュウや、夏場の高温・干ばつによりハダニ・奇形果の発生が確認されたことで、出荷数量は約274トンとなった。
長野県野菜花き試験場で取り組む「養液栽培及びつる下ろし栽培」は、ハウス内での養液栽培で管理作業の簡易化・栽培のマニュアル化することで、新規生産者や作業員の確保につなげることや、連作障害を防げることから生産量の維持・増大が期待される。また、つる下ろし栽培にすることで収穫位置が揃い作業負担が軽減すること、病害虫対策がしやすいことが説明された。
また、全農長野がJAみなみ信州管内で実証試験を行った「簡易雨よけハウス栽培」では露地栽培に比べ、炭疽病やべと病など病気の広がりが見られなかったと報告。収穫期間も1ヵ月ほど長く、総収穫量も約9キロ多いことから、投資効果が期待できると話した。
同部会の大槻金吾部会長は「今年度は日照りが続き栽培が大変な年であったが、今後も野菜部会全体で、安心で新鮮でおいしい野菜作りに励んでいこう」と呼びかけた。
同JAではさらなる品質向上にむけ、病害虫の予防防除の徹底を呼びかけるほか、異常気象に対応する技術・品種選定に取り組む。

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