第13回「上伊那の未来を創る会」 若手果樹農家が組合長らと懇談

JA上伊那
リンゴ高密植栽培機械実演検討会(23年9月、長野県伊那市で)
リンゴ高密植栽培機械実演検討会(23年9月、長野県伊那市で)

JA上伊那果樹部会の有志でつくる「上伊那の未来を創る会(未来会)」は12月22日、伊那市のJA本所で第13回となる会議を開いた。この日は同会のメンバー19人が出席し、同部会の役員やJA役職員と意見を交わした。
同会は、上伊那地域が5年後も10年後も果樹産地でいられるために地域や個人で抱える課題を整理し改善することが目的。若手生産者が中心となって2018年に設立した。「機動力を使って先進的にチャレンジし部会をリード」をテーマに、出荷規格外の果実を使ったセミドライリンゴやシードルなどの加工品の開発・販売や、園地再生のためのリンゴM9台木の確保など、6つのプロジェクトチームに分かれて活動している。23年9月には農機具・資材管理プロジェクトチームが提案し、全国でも数少ないリンゴの高密植栽培機械実演検討会が実現した。
この日は、同JA営農経済部のアドバイザーを務める沖村俊彦さんが「上伊那果樹への提言」と題して、リンゴ高密植栽培の取り組み成果や上伊那果樹をどう発展させていくべきかを講演。「他産地の生産量は減少傾向だが、上伊那は増加傾向で市場からの期待も高い。目標値を明確にし、出来たものを評価するのではなく目指すものを作っていこう」と呼びかけた。
その後の懇談会では、「新規参入しやすいようJAと未来会で園地を共同管理し、すぐに栽培を始められるようにしたらどうか」や「市町村にも情報提供してもらい園地拡大に協力してもらいたい」などの声が数多く上がり、果樹生産に対する意欲を伝えた。
JAの西村篝組合長は「『上伊那を日本一の産地にする』との力強い声、とても心強い。JAでも園地継承、事業継承など支援をさせていただくので、上伊那の果樹をさらに前へ進めてもらいたい」と期待した。
未来会の杉山栄司会長(48)は「こういった懇談の場は初めてで、直接自分たちの熱意を伝えることが出来てよかった。今回を第一歩として、少しでも活動を前に進めていきたい」と話した。

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