桃出荷反省会 今年の振り返りを来年へつなげる

JA上伊那
生産者に呼びかける村上専門部長
生産者に呼びかける村上専門部長

JA上伊那果樹部会桃専門部は12月12日、JAの協同会社株式会社グレースが運営する多目的施設「アイパル」で、2023年度桃専門部栽培・販売反省会を開いた。生産者や卸売市場などの関係者20人が出席し、JA担当職員らが出荷実績を報告。また、来年度以降の振興計画を確認した。
今年は暖冬の影響で、開花の早かった昨年よりもさらに1週間ほど早く開花。出荷は平年並みの7月下旬から8月上旬にピークを迎えた。夏場の高温干ばつにより小玉傾向だったが糖度は高く、JAでは直売所や菓子店などの地元需要を中心に対応。今年から管内のA・コープ店でお盆に合わせ贈答用を用意したこともあり、贈答用や自家用が数字を伸ばした。また、高温の影響で果実の着色よりも早く果肉が柔らかくなりやすい状況だったことから早めの収穫を呼びかけ、需要期であるお盆前に集中した出荷を行った。
市場担当者からは「出荷量も安定し、品質の高い『上伊那』というブランドにつながっている。市場からの注目度も上がっているので、今後も出荷量を増やしてほしい」と話した。
管内では新規栽培者や園地の団地化を進めることで栽培面積を維持しているが、栽培年数が経過したことで老木園が増え生産力が低下している園地が増えている。JAでは上伊那全体の収穫量確保や品質向上に向け改植事業に取り組み、園地の若返りを目指す。また、現在の主力品種「あかつき」と収穫時期の重ならない品種「べにみなみ」と「つきあかり」の試験栽培も進めていて、上伊那全体の桃の出荷時期延長にも取り組んでいる。
同専門部の村上孝治専門部長は「上伊那の中でも桃は価格が安定していて栽培しやすい。品種の導入など先取りしながら、面積拡大や出荷量の増加につなげていきたい」と意気込んだ。

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