11月28日、大阪府の大阪市食肉市場㈱で開催された第76回長野県畜産共進会「和牛肥育の部」で、唐沢裕輔さん(43・豊丘村)の出品した黒毛和牛枝肉が最優秀賞を受賞した。同共進会にはJAみなみ信州管内9戸から15頭が出品。県全体で総出品数48頭、最高ランクA5・12番が25頭ある高いレベルの中での最優秀賞受賞となった。唐沢さんは「地域住民の皆さんのご理解、さらに先輩農家や家族の協力あっての受賞。全国的に見ても南信州の技術レベルは高い。やっと先輩方に肩を並べることができた」と喜びを語った。
唐沢さんは両親が行っていた酪農と繁殖業を受け継ぎ、「世界情勢に振り回されたくない」と14年前に牛舎を建て繁殖から肥育まで行う一貫経営へ切り替えた。2年前に酪農をやめ肉牛生産に一本化。現在は両親、妻の和花奈さん(33)と肉牛60頭、母牛40頭を飼育している。さらに今年子牛の放牧場をつくりさらなる品質向上に取り組んでいる。妻の和花奈さんも主に子牛の哺乳などを担当し「小さい頃の体調管理が大切。責任を持って世話している」と生産を支えている。唐沢さんは「肉の値段も下がりエサ代などの生産経費が倍以上にかかる厳しい状況が続いているが、なんとかこらえたい。安全安心な肉牛生産を続け、自分の牛舎で生まれた牛での受賞を目指し引き続き頑張りたい」と話した。