発酵粗飼料(WCS)用稲刈取り 牛の飼料に活用

JAみなみ信州
専用機によるWCSの刈取り作業
専用機によるWCSの刈取り作業

JAみなみ信州とグループ会社の(株)夢ファームみなみ信州は発酵粗飼料(WCS)用稲の刈取り作業を行った。同JAでは生産資材や資料が高騰する中、WCS用稲牛の飼料として活用しており、地域循環型農業、環境に優しい農業に取り組んでいる。今年度は同JA管内で21軒が合計1003アールでWCS用稲専用品種「つきすずか」を栽培している。10月24日~始まった刈取り作業は11月3日まで行い、270トン(910ロール・1ロール300kg)の収量を見込んでいる。
同JAでは4年前(2019年)から飯田市上郷地域を中心に水田を活用したWCS用稲の栽培を呼びかけ普及してきた。地域でまとめて栽培し刈取りを行い費用削減、省力化を図り作業を行っている。
27日は飯田市の圃場で刈取り作業を行った。専用コンバインで稲を刈取り乳酸菌を混ぜて稲を円筒型にまとめ吐き出す。続いて専用梱包機で稲をビニールで梱包し次々と白いロール(1ロール=300~350kg)をつくり田んぼに並べた。このあと約2ケ月程発酵させ飼料となる。
現在20アールの圃場で栽培する生産者の大島義夫さん(飯田市)は「牛の糞を堆肥として田んぼにまくのでまさに資源が循環型農業ができている。米づくりと変わらない手間で栽培ができ、農家にとっても魅力ある取り組み」と話した。
同JA営農部農産課の山上正俊課長は「農家やJA、地域が連携して取り組むことで有休荒廃地や地域の資源の有効活用、畜産農家の経費負担軽減など様々な効果が期待できる。出来上がった飼料の効率的な供給や活用についても引き続き検討をすすめていく」と話した。
同地域では生産者によるWCS用稲の播種作業にドローンを活用するなど栽培のさらなる効率化を図り、産地全体で循環型農業に取り組んでいる。

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