浜安司部会長「手作りかりんジャム」初の出品 諏訪の特産「かりん」の味を地域に届ける

JA信州諏訪
自ら製造した「手づくりかりんジャム」をPRする浜部会長
自ら製造した「手づくりかりんジャム」をPRする浜部会長

JA信州諏訪直売所専門委員会夢マーケット直売部会の浜安司部会長(63)が11月3日、諏訪市の夢マーケット文出店で「手作りかりんジャム」の出品を始めた。生産者が栽培から収穫、加工、商品販売まで一貫して行う、管内では貴重な取組み。「伝統的な諏訪地域の食文化を残したい」との思いで生まれた一品が店頭に並ぶ。
浜部会長は約30年前、諏訪市の自宅敷地内に「洋かりん」の一種「マルメロ」の木を1本定植。栽培管理を行い、シロップ漬けなどにして自家消費をしていた。2021年から直売所の役員を務め、県内各地の直売所を視察し、果物栽培がさかんな産地で加工品が数多く販売されていることを知り、知人から好評だった自身のジャムの販売を企画した。
諏訪保健所と相談し、自宅離れのキッチンを8月から改修。10月中旬に完成し、同月下旬に営業許可を取得した。浜部会長とJAによると、管内では、加工食品は業者に製造委託するのが一般的。生産者自ら新規に許可を取って生産販売を行うのは数人だという。
2023年は6月にマルメロの木を消毒し、300枚の袋掛けをして200個以上の収穫を目標に栽培管理。10月15日から収穫を行い、約250個を収穫した。
ジャムはかりんの風味と果肉のつぶつぶ感、ほんのりとした甘さを味わえる。1日に12~13個を製造し、11月中旬までに250個の商品化を目指す。
浜部会長は「かりんは諏訪地方の特産でかつては多くの家で砂糖漬けなどにしていたが、生で食べられないので若者には馴染みが薄くなっている。試行錯誤しながら自分で一から作ったこの商品を通して認知度を高め、かりんを地元で親しみある食品にできればうれしい」と話している。
「手作りかりんジャム」は1個140グラム入りで、税別420円。夢マーケット文出店での期間・数量限定で、売り切れ次第販売終了する。

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