すしを引き立てるはぜかけ米 感謝と生産維持へ交流会

JA松本ハイランド
手際よくすしを作る職人
手際よくすしを作る職人

JA松本ハイランドと、首都圏の回転すじチェーン「独楽寿司(こまずし)」は25日、産地交流会を筑北村で開いた。同社は20年以上前から、すし飯にJA管内産「筑北・川手はぜかけ米」を使っている。交流会では、すし職人が米生産への感謝と収穫量維持へ願いを込め、生産者約150人にすしを振る舞った。
同社は2002年から、「筑北はぜかけ米」を使い始めた。14年からは「川手はぜかけ米」の使用も開始。現在は全店舗が「筑北・川手はぜかけ米」を100%使っている。今年は100トンを仕入れる予定だ。
同社の担当者は「はぜかけ米は酢を芯まで吸収し、おいしいシャリ(すし飯)になる。新米の香りやおいしさが長続きするのも特徴だ」と説明する。来店客からも好評だという。
交流会は、手間がかかるはぜかけ米を栽培する生産者に感謝を伝えへ、翌年への生産意欲を高めてもらおうと、07年から隔年で開いている。前回は新型コロナ禍で中止となり、4年ぶりの開催となった。
職人は会場で、マグロの解体を披露。さばきたてのマグロの他、タイやサーモンなど10種類ほどのすしを生産者に振る舞った。
同社の高麗正之介副社長は「すしのおいしさの6割はシャリで決まる」と強調。「生産が厳しい状況だが、1俵でも多く出荷してもらえたらうれしい」と呼びかけた。
生産者は提供されたすしを味わい、地元産米のおいしさを再確認した。筑北村聖南地区で米を生産するJAの一ノ瀬知卓担当理事は「はぜかけ米は手間がかかるが、とてもおいしい米だ。可能な限り生産を続けたい」と意気込みを語った。

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