茅野市で最新農業機械を使った水稲栽培 スマート農業で高品質・多収のコメ出荷へ

JA信州諏訪
最新コンバインでの稲刈り作業を見守る参加者
最新コンバインでの稲刈り作業を見守る参加者

茅野市の水稲農家小坂幸江さん(43)は2023年度、JA、JA全農長野、ヤンマーアグリジャパン株式会社協力のもと最新農業機械を使った水稲栽培に取組んでいる。今年、ほ場状況に合わせて肥料の散布量を調整する機能が付いた田植え機と、所有するコンバインに刈り取りしながら収量測定できる機能を導入した。稲刈り終了後、専用のWEBサイト(ヤンマー「スマートアシストリモート」)を通じて結果を分析し、来年以降の栽培に役立てる考えだ。
小坂さんは、同市内にある約20ヘクタールの水田で「あきたこまち」「こしひかり」を栽培している。スマート農業を導入して効率よく作業し、高品質・多収のコメの出荷をめざしている。
導入した田植え機は、衛星画像から生育ムラや地力ムラをAI解析して作成した「施肥マップ」(※)を基に、的確な量を施肥する「可変施肥」機能を搭載。この機能により生育の均一化を図った。(※:BASFジャパン・JA全農「ザルビオフィールドマネージャー」で解析・作成)
10月12日、小坂さんや従業員の篠原伸孝さん、JA、JA全農長野、ヤンマーアグリジャパン株式会社の担当者ら10人が集まり、コンバインでの収穫作業を行った。
今回使用したコンバインは6条刈りの最新デモ機で、国内最高の138馬力。ほ場入口でも、安定した姿勢で作業・走行し、籾のロスを抑え精度の高い作業ができる。また、揚殻投げ口に取り付けた収穫量センサーが、リアルタイムの収穫量を測定。作業時の位置情報からほ場1枚当たりの収穫量としてWEBサイトに表示する仕組みだ。
篠原さんは「スムーズに稲刈り作業ができている。JA・メーカーと協力し合って、1粒も落とさず収穫できる機械が実現してくれればうれしい」と期待を込める。
小坂さんは「今年の収穫量把握のため、WEBサイトを活用したい。来年のコメ作りに役立つことを期待している」と話している。
同日のほ場の収穫量マップを確認したヤンマーアグリジャパン株式会社営農推進担当部長の西原光男さんは「今年の天候の影響も大きいと思うが、生育にムラはなく、収穫量も安定している」と評価。「今後も様々なほ場でのデータ収集に励み、多くの方に活用していただけるようなスマート農業機械として提案したい」と話している。

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