カット用リンゴ栽培に手ごたえ 品質上々

JAグリーン長野
選果を行う あいアップルメンバー
選果を行う あいアップルメンバー

長野市篠ノ井のリンゴ生産者グループ「あいアップル」で10月下旬、「シナノゴールド」の収穫が最盛期を迎えている。同グループは、遊休農地の活用を目的に業務加工用「カット用リンゴ」として「秋映」「シナノゴールド」の栽培を専門に行う。代表の久保田敏夫さんは、「カットリンゴにするには勿体無いくらい品質の良いものも採れ、非常に出来が良い」と手ごたえを感じている。
グループでは10月24日、グループのメンバー4人と手伝いに名乗りを上げた地元住民2人が収穫作業を行った。今年は12日からシナノゴールドの収穫作業を開始。今年の生育期は高温が続く非常に厳しい環境で、「秋映」については色が入らず「サビ」が多かったが、味は良く、外観は問われない「カットリンゴ」となることから、出荷に支障も出なかった。今年6年目の新わい化の樹で栽培されるシナノゴールドは、久保田さんによると「樹勢が落ち着き、果実へ養分転換される樹齢になった」として、厳しい生育環境においても、着果量も果実の成長も良く仕上がった。この日は、4人が収穫作業、2人が選果作業と分担し、選果は規格外の小玉と傷み果を除き、「1コンテナ14kgになるように詰めるだけ」と、選果に手間がかかりにくい。半日で120コンテナ分を収穫し、自身らで業者に運び込む。シナノゴールドの収穫作業は前年より長めの12日間を予定。冬の凍害による欠株で収量減も懸念されたが、秋映は9トン(前年対比125%)の出荷となり、シナノゴールドも前年対比120%の14トンの出荷を見込む。
久保田さんは「初期の目的である遊休農地の活用は、自己満足ではあるが達していると思うので、今後の目標は“現状維持”。平坦地のリンゴ栽培は温暖化の中で非常に厳しい状況にあるが、カット用リンゴ栽培は需要も高く、新規就農者等への継承も視野に進めていきたい」と話している。
あいアップルは、同市篠ノ井会の定年帰農者4人が集まって平成28年に立ち上げたグループ。同地区の遊休農地の解消を目的に、75アールで「カットリンゴ」となる業務加工用リンゴを、「新わい化」の技術を用いて栽培する。JA・JA全農長野を通じて、業者に出荷。地元住民からの作業支援もあり、同園を会場に地区行事として収穫体験も行われるなど、遊休農地の解消のみならず、地域農業の活性化に一役買っている。

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