リンゴ「シナノゴールド初出荷 食味例年以上の仕上がり

JAあづみ
果実の裂傷や傷などを確認する選果員ら
果実の裂傷や傷などを確認する選果員ら

JAあづみは19日、松本市梓川のJA果実南部選果所で長野生まれの黄金色リンゴ「シナノゴールド」を初出荷した。この日までに集荷した35トンのうち、1600ケース(1ケース=10キロ)を首都圏や関西、中京、地元市場に出荷した。出荷時期は例年並み。
2023年産は、春先の凍霜害や10月初旬の強風により果面のキズやサビ果などが散見されるものの、甘味の中にもしっかりとした酸味を感じることができ食味は上々な仕上がり。1万6000ケース(1ケース=10キロ)の出荷を見込んでいる。今後、サンふじの贈答用セット販売等も含め10月中旬から長期的に市場で販売する。中生種の中では最も日持ちする品種で需要期が異なることから、市場の声を聞いた柔軟な出荷対応で、高単価販売を狙う。
「シナノゴールド」は、名前の通り黄色の品種で、「ゴールデンデリシャス」と「千秋」の交配品種で1999年に品種登録された。サクサクと引き締まった食感で甘味と酸味のバランスがよく、果汁が多いのが特徴。貯蔵性に優れており長期保存が可能。ジュースやアップルパイなどの加工にも適している。
選果前に開いた目ぞろい会では、営農経済事業部果実課の小林鷹文営農指導員が約40人の選果員に等級や選果規格を説明した。小林指導員は「裂果しやすく、傷が目立つ品種。ゆっくりでいいのでしっかり選別して欲しい」と呼び掛けた。
選果所では、選果スタッフが裂傷やスレなどを丁寧に確認し、選果機に流した。センサーで熟度や大きさを判定し、3等級に分けて箱詰めされる。
営農経済事業部果実課の中村洋一課長は「春先から多くの気象災害に遭っているが、食味は例年以上。多くの方に食べていただきたい」と力を込めた。

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