健康寿命創造運動「食生活」セミナー 南極の暮らしから食品ロス、防災への備えを学ぶ

JA上伊那
南極での生活を紹介する渡貫さん
南極での生活を紹介する渡貫さん

JA上伊那とJA上伊那生活部会は9月25日、伊那市のJA本所で健康寿命創造運動「食生活セミナー」を開いた。同部会員ら185人が参加。元南極観測隊調理隊員の渡貫淳子さん(49)を講師に、食品ロスや防災への備えを学んだ。
セミナーはJA長野県グループが取り組む健康寿命創造運動の一環。JAと同部会では食生活改善の普及啓発活動を推進することを目的に2013年からセミナーを開いている。10年目を迎えた今年は、4年ぶりに参加者が一堂に会して開催。部会が取り組んでいるSDGsをさらに考える機会にしようと、昭和基地史上、民間初の女性隊員として南極生活を送った渡貫さんに講師を依頼した。
渡貫さんは「南極で学んだこと~無理なく楽しく食品ロス削減&防災への備え~」と題して講演した。年に1回しか物資が届かず、利用できる水や生ごみ、排水などの制限が多い南極の生活を紹介しながら、限られた食材を無駄なく楽しく消費する方法を紹介。また、食べることは生活のモチベーションにつながることから、災害時の保存食はローリングストックし、食べ慣れているものや、好きなものを用意しておくことを推奨した。「料理のリメイクや今ある食材から献立を考えるなど、工夫次第でいくらでも豊かな生活ができる。食品ロスをなくすためには『知ること』『意識すること』『無理しないこと』が大切」と呼びかけた。
同部会の山岸眞由美部会長は「今年はみんなの顔を見ながら開催できてよかった。食べ物を粗末にしない工夫を話し合うなど、これからの部会活動にも取り入れていきたい」と話した。

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