茅野市のパセリ農家古川竜生さん 「新規就農セミナー&就農相談会 in 銀座NAGANO(令和5年度 第4回)」で講演

JA信州諏訪
新規就農セミナーで自身の思いを語る古川さん
新規就農セミナーで自身の思いを語る古川さん

茅野市のパセリ農家古川竜生さん(27)が9月18日、東京都の銀座NAGANOで開かれた長野県と公益社団法人長野県農業担い手育成基金共催の「新規就農セミナー&就農相談会 in 銀座NAGANO(令和5年度 第4回)」で講演を行った。首都圏在住で長野県や同市への就農に関心を持つ人や関係者約20人が参加。農家をめざしたきっかけや独立までの道のり、今後の展望などを説明。就農に向けたアドバイスや同市で営む農業の魅力を語った。
古川さんは同市出身。東京農業大学に進学して農学や経営学に関心を持ち、卒業後はアメリカカルフォルニア州で農業研修に参加。その後、地元での就農を考え、JAや同市農林課と相談。単収が比較的高い軽量品目としてパセリの栽培を勧められ、2020年から原村の農家で研修を行い、2022年に独立した。
2023年は、母の志保美さんと2人で、ハウス計15アール(昨年比7アール増)で栽培。11月中旬まで1日平均小束5箱(1箱1キロ)、大箱5~6箱(1箱5キロ)を出荷する計画だ。昨年度の振り返りを活かして、土に堆肥や藁を入れて排水性を改善し、ハウス内の換気や新しい遮光ネットの導入で夏の暑さを対策。「昨年よりも順調に生育が進んでいる(古川さん)」という。
講演では、パワーポイントで写真や図を用いながら、パセリ栽培の年間スケジュールや収穫までの栽培方法、出荷作業や消毒・管理作業などを紹介。2022年から2026年の経営状況・経営計画、設備投資額も示した。
今後は2026年までに作付面積を30アールに拡大し、他品目の栽培、加工品づくりもめざす。さらに、農業の担い手確保、農地の活用、地域の活性化など農業と地域を結ぶ活動も積極的に行っていくとした。
就農に向けたアドバイスとして、「農家になる目的とどのような農家を目指すかを明確にしてほしい」と述べた。さらに品目選びが重要とし、「パセリは他に対して所得率が高い品目。しかし栽培管理で人手が足りなくなってしまうので規模拡大は難しいなど、それぞれ品目によってメリットとデメリットがある。周囲の意見を聞くなどして自分に合った品目を総合的に判断してほしい」と話した。
まとめに「茅野市の自然の中で、地域の皆さんと交流しながら充実した農家生活を過ごしている。私も始めたばかりですが、新規就農する方を支えたい。一緒に農業を考え、地域を盛り上げましょう」と呼びかけた。

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