価格高騰対策でJA支援事業を展開 幅広い支援対象を設けて助成行う

JA信州諏訪
支援事業の対象となる肥料の在庫確認を行うJAファーム茅野店
支援事業の対象となる肥料の在庫確認を行うJAファーム茅野店

JA信州諏訪は2022年~2023年、支援事業「肥料・飼料・生産資材等価格高騰対策支援事業」に取り組んでいる。組合員が2022年3月から2023年8月31日までにJAで購入した、肥料・農薬・生産資材・飼料など8種類の予約(一部は当用)注文に対して助成する。9月中に営農部職員によるとりまとめが完了し、対象者3,212人に、総額61,733,713円(税込)を支援することが決まった。今後の営農経営の維持・拡大の一助につなげたい考えだ。
世界的な穀物需要の増加やエネルギーの価格の上昇に加え、ロシアによるウクライナ侵攻、急激な円安相場、中国の輸出制限などにより肥料・飼料価格が高騰し、農業経営を圧迫している。営農部生産資材課によると、肥料は化成肥料を中心に本年5月に約28%値下げとなった。しかし、農薬や生産資材類、段ボールは高値が続いており、今後も厳しい状況が続く見通しだ。
JAの集落懇談会や各生産部会の会議等で、組合員から「このままでは農業が継続できない」という声が多く寄せられ、同部独自で「水稲・野菜・花き・果樹・きのこ・酪農畜産、どの農畜産物を生産・供給する組合員にも助成できるように」と支援対象を幅広く設けた事業を展開することとした。
同事業では、肥料、農薬、生産資材、段ボールの予約注文分(一部対象外あり)、スチロールボックス、きのこ培地・資材の当用注文分(同)に対し購入金額の3.5%以内を助成する。飼料では、牛1頭6千円、豚1頭250円、鶏1羽20円を助成する。
JAは同事業のほか、「農業振興サポート事業」・「鳥獣害防止対策支援事業」・「特定農機具購入支援事業」など各種支援事業の予算額として、2023年度は1億7000万円を計上し、支援にあたっている。今後も、各市町村と連携した補助事業などを行うとともに、早期仕入れによる在庫確保に努め、営農継続と地域農業振興を進める。
同部の菊池孝明部長は「農業を取り巻く環境は大変厳しいが、JAが組合員を支え、地域農業経営維持・拡大をめざす。今回の事業が組合員の一助となればうれしく思う」と話している。

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