駒ヶ根市や宮田村の生産者、酒造会社、JA上伊那などは地元産原料を使用したビール・ウイスキーの製造に向けた二条大麦プロジェクトに取り組んでいる。9月1日、同市駒ヶ根高原のレストランの味わい工房で初の試飲会が開かれプロジェクトメンバーら30人が出席。2種類のウイスキーを試飲した。
同プロジェクトは2014年にスタート。地域に適している二条大麦の「小春二条」の生産と、これを使用したビール・ウイスキーを製造し、農産物の生産から加工、販売を一連で取り組む6次産業化の推進を目的としている。
2016年6月には12アール、約400キロを初収穫。2017年7月には初収穫したうちの300キロを使用して地元産麦芽100%のビール「宝剣岳Ale(エール)」を発表した。その後、2020年3月には収穫4年目(1.1ヘクタール、4200キロ)の麦芽のうち、1800キロを使用してモルトウイスキーを初仕込み。今年、初仕込みから3年が経過したことから試飲会を開催した。
今回試飲したウイスキーは3年経過のモルトウイスキーと2023年3月のニューポット(樽詰め前の原酒)の2種類。出席者はワイングラスを回しながら香りを、試飲で味を確かめ意見を交わした。
生産者を代表して駒ヶ根市の林英之さんは「栽培初年度から携わらせていただいて、天候や栽培方法など皆さんと試行錯誤してきた結果、ウイスキーとして形になったことはうれしい限り。味も麦特有の甘い香りが信州の風のように優しくてとっても良い。これからも力を合わせて栽培していきたい」と感想と決意を述べた。
今年度は市と村の11ヘクタールで栽培し26900キロを収穫。収穫した大麦は同JAが全量を買い取り、施設で保存。来年の仕込みに使用される。