「信州伊那栗」出荷最盛期 機械導入で負担軽減

JA上伊那
機械で集めた栗を分ける会員
機械で集めた栗を分ける会員

JA上伊那管内で「信州伊那栗」の出荷が最盛期を迎えている。信州伊那栗は飯島町を中心に約60戸が30ヘクタールほどで栽培。今年は花が咲く時期に雨が多かったことや、夏場に高温の日が続いたことで収穫量の減少が懸念される。管内では早生品種「丹沢」と晩生品種「筑波」を栽培し、10月上旬までに約50トンの出荷を見込む。現在、収穫の最盛期を迎えている「丹沢」は9月20日ごろまで収穫が続く。
「信州伊那栗」は産地化・ブランド化を目指し、生産者やJAなどが地元の農地を守るために遊休農地を使って、2008年に生産を開始した。飯島町で和洋菓子を製造・販売する「信州 里の菓工房」と契約し、ほぼ全量を同店に出荷。栗きんとんやモンブランなどの原料に使われている。
同町の一般社団法人月誉平栗の里では9月11日、18人が収穫と出荷の作業をした。会員は、熟して木から自然落下した実だけを収穫。その後イガと実に分けながら拾い集めた栗を作業場で、実割れや虫食いの有無などを確認しながら選別し、サイズごとに出荷した。この日は約650キロの「丹沢」を出荷した。
同法人は約5.5ヘクタールで1500本ほどの栗の木を栽培している。今年から落下した栗を集めるための機械を本格的に導入。一つずつ拾い集めていた昨年までと比べ、一ヵ所に集めてからイガと分ける作業ができるため会員の負担軽減にもつながった。今年は地元住民を中心に30代から80代の35人が会員として収穫、出荷作業を行い、9月末までに約10トンの出荷を見込んでいる。
同法人代表理事会長の城田多加雄さん(74)は「栗の作業を通じて大勢の人に農業を知ってもらい、関わってもらいたい。また、自信のある栗を出荷しているので北の小布施栗・南の信州伊那栗として多くの人に味わってもらいたい」と話した。

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