伊那市の高遠小学校3年生33人は9月13日、同市にある農事組合法人らいふのアルストロメリアを栽培しているハウスを見学し、上伊那地域で栽培している花について学習した。地元の産業を知る社会科の授業の一環。今年5月にJA上伊那やJA花き部会が行政と連携して行った「花育事業」をきっかけに、さらに学びを深めようと実際に生産者のもとを訪れた。
「花育事業」は花に親しみを持つことで子どもたちの情緒を育み、心を豊かにすることが目的。管内23の小学校で実施した今年は、上伊那地域が生産量日本一を誇るアルストロメリアの花束295束(全クラス分)を贈呈し、地域の産業を学ぶ3年生には花の栽培方法などを紹介するDVDやプリントを配布した。また、コロナ禍前には生産者による教室での授業や、児童が地元生産者のハウスを見学する授業も行われていた。
この日は、同法人で花の栽培を担当する西村邦明さん(44)が児童らを出迎え、アルストロメリアの特徴や産地としての経過、栽培・出荷の流れなどを説明。児童はハウス内でアルストロメリアの花や加温機、潅水パイプなどの写真を撮りながら観察し、西村さんに積極的に質問して実際の栽培に触れた。
児童は「花がとてもきれいだった」「水やりの仕方が分かってよかった」と授業の感想を西村さんに伝えた。
西村さんは「知らないことを知ってもらう、触れてもらうことが大事だと思う。久しぶりに子どもたちと授業ができて、アルストロメリアを知ってもらえてよかった。ぜひ、家庭に飾ってもらいたい」と話した。