協同の理念を世界へ JICA研修員が協同組合を学ぶ

JAみなみ信州
研修員の質問に答える木下雅夫次長
研修員の質問に答える木下雅夫次長

JAみなみ信州は8月24日、飯田市上久堅の上久堅公民館でJICA中部(国際協力機構)が取り組む「参加型地域社会開発(PLSD)」研修の講師を務めた。同JA営農部の木下雅夫次長がJAの仕組みや理念、南信州地域の農業の特徴やJAと行政との連携した取り組みなどを飯田市農業課の菅沼美津子係長と講義した。
同研修は、まちづくりが進んでいない開発途上国の支援を目的に、地方自治に携わる行政官や企画官が公民館活動が盛んな飯田市を訪問し、地域自治の仕組みや経験を学んでいる。1998年から実施しており、この日はインドネシア、タンザニア、シエラレオネから9人が研修員として参加した。JAが行政等と連携できる仕組みが確立していることや、協同組合の相互扶助の理念が地域自治に通じることからJAが同研修に講師として参加している。
木下次長は、南信州地域の特徴を活かした販売戦略や、生産者が平等に出資し運営する選果場などを例に、自己の利益だけを考えず協力することで地域全体が豊かになる協同の力を説明。行政と連携した市田柿のブランド化や移住就農者誘致の取り組み事例も伝えた。
講義終了後行われた意見交換では、農業人口減少に対する具体的な取り組み内容や、農産物の海外輸出に関する質問が出された。研修員は「市田柿事業がこの地域の経済に大きな影響を与えていることが印象的だった。社会的・経済的状況は違うが、JAと行政の連携した取り組みを自国の地域自治に活かしたい」と感想を述べた。
研修員らは8月20日から25日まで飯田市に滞在し地域住民との懇談や小学校児童との交流を行うなど地域自治について学んだ。

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