JA上伊那は8月24日、担い手経営体・新規就農者合同セミナーを伊那市のJA本所で行った。地域の営農を活力あるものにするため、中核的な担い手経営体と、新たな担い手である新規就農者らが集まる機会を作ることが目的。この日は、認定農業者や集落営農組織の代表者、新規就農者、JA生産部会の代表者ら約65人が出席し、野菜生産者の実践報告や農業に関する講演に耳を傾けた。
実践報告では伊那市でブロッコリーを栽培する中原敏雄さん(45)が「会社員からの転身と新たな挑戦」と題して発表。一昨年、東京都から地元に戻り就農した経緯や、栽培の工夫を説明した。「栽培面積を確保し、効率的な畑のローテーションで生産性を上げたい。また、両親の引退後にも農地を維持できるよう長期的な人材の確保にも力を入れたい」と今後の展望を語った。
講演では、同JAが試験運用している営農支援システム「あい作」の活用方法や産地事例などを紹介。JAでは生産者がスマートフォンやタブレットから入力したデータによる栽培履歴の電子化やデータ蓄積により、農産物の品質向上を実現し、さらなる生産者コストの削減や優位販売につなげていく。