野生きのこ出荷者講習会 可食きのこに似ている毒きのこに気を付けて

JA上伊那
毒きのこについて説明する丸山さん(手前)と確認する出席者
毒きのこについて説明する丸山さん(手前)と確認する出席者

JA上伊那生産者直売部会は8月18日、管内3会場で野生きのこ出荷者講習会を開いた。全体で67人が出席し、このうち伊那市の同JA本所で開いた講習会には出荷者や直売所担当者ら38人が出席。出荷に際しての注意点や可食きのこに似ている毒きのこなどについて説明を受けた。
同JAでは農産物の栽培や加工技術の向上、品種改良などにより農産物がいつでも購入できる現代において、野生きのこは季節感を感じられる食文化の1つであり地産地消そのものであると位置付けている。
生産者はJA農産物直売所や管内A・コープ、管内ファミリーマートJA店に出荷する場合には全員、同部会に入会。その中でも野生きのこを出荷する出荷者には可食きのこに似た毒きのこの採り間違いなどによる甚大な事故を防ぐため、同講習会を受けること、出荷前に「野生きのこ直売出荷届出書」を提出することを義務付けている。
同講習会ではJA担当者がラベル表示や包装資材について説明。その後、講師の長野県きのこ衛生鑑定士の丸山千代美さんが毒きのこを食べてしまった際に起きる症状別に毒きのこを紹介。出席者は可食きのこと毒きのこの写真や特徴が載った資料を見ながら確認した。
丸山さんは「毒きのこは可食きのこのそばに生え、天候によって様子が変わる。採り慣れたきのこであっても、1本1本しっかりと確認してほしい」と呼びかけた。
昨年、管内直売所等で購入した野生きのこによる事故や保健所の指導等はゼロ。購入者は売られているものは安全なものと認識して食すため、同部会やJAは「間違いないだろう」ではなく「間違いない」という確信のある野生きのこの出荷・販売に努めていく。

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