絶やさぬ160年の伝統 内鎌かんぴょう生産はじまる

JA大北
1本1本ユウガオを手引きする会員ら
1本1本ユウガオを手引きする会員ら

池田町の特産品「内鎌かんぴょう」の生産が7月24日から始まっている。同町会染内鎌地区の農家有志で作る「内鎌のかんぴょうを守る会」が手作りしており、猛暑が続く中、作業場に集まり加工に精を出している。
内鎌かんぴょうは160年の歴史がある。地域伝統の産物として各地で作っていたが、後継者不足や作業に熟練の技が必要なことから生産者が減少。同会は産地の伝統を守り、作り続けようと、地元農家有志が集まり2010年に発足。今年で13年目となる。現在会員数は15人。生産から販売まで全て行っている。原料となる「内鎌ゆうがお」は2012年に県より「信州の伝統野菜」加工品の認定も受けている。
同会は5月、約3アールの畑にユウガオの苗20本を定植。7月中旬から収穫を始め、加工作業を始めている。現在1日の収穫量は約13本程だが、最盛期には20本を収穫し加工する。今年は日照り続きで、昨年同時期に
比べ収穫量は少なくなっているという。
作業は早朝にユウガオを収穫し、天日で干した後、輪切りにし外皮をむいた後、蛸引き包丁を使い手引きする。その後ハウス内で1日ほど干したら完成する。特にユウガオの手びき作業は難しく、厚さが大体1.5ミリくらいになるよう手びく。同会の太田洋介会長は「歴史ある伝統特産品を絶やさぬよう、安全・安心で高品質なかんぴょうを作り続けたい」と話す。全て手作りで作られているかんぴょうは大好評で販売してから数ヶ月で完売するほど。製品は同町の「道の駅ハーブセンター」や「ファミリーマートJA大北会染店」、大町市のJA大北農産物直売所「ええっこの里」などで販売するほか、作業所での直売もしている。

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