もち麦販売開始 バイオ炭散布で環境にやさしい農業を

JA上伊那
地元の人でにぎわうもち麦の販売
地元の人でにぎわうもち麦の販売

JA長野中央会や長野県生協連などは「バイオ炭活用による三方(生産者・消費者・地域)よしプロジェクト」を進めている。バイオ炭を施用し、環境に配慮して農作物を生産した上で、農家にとって再生産可能な価格で消費者が購入する流れを生み出すのが目的。7月29日、伊那市の農事組合法人南福地ファームでバイオ炭を施肥して栽培した大麦「もち麦」の販売を行った。
同プロジェクトではもみ殻や剪定した枝などをバイオ炭にして農地に施用することで、二酸化炭素の排出を抑え環境負担を減らすことを期待。環境に配慮した農作物の生産で持続可能な農業を目指している。
同法人は、バイオ炭を散布することで浸透性や保水性、通気性などの土壌改良にもつながることを期待し、プロジェクトに協力している。昨年10月にバイオ炭を散布した圃場へもち麦を播種し、今年6月に刈り取った。バイオ炭を散布した圃場の収穫量や品質などは平年並みだったという。
当日は法人の事務所前で、地域住民に日ごろの感謝を伝えるためにもち麦の先行販売を行った。また、この日は同法人のもち麦を使って、地元のパン屋と菓子店が作った商品も販売した。
同法人の牛山喜文組合長は「この取り組みは出発したばかり。今後ほかの作物にも挑戦し、環境にやさしい農業の参考になれれば」と期待した。
8月1日からはJAの農産物直売所「ファーマーズあじ~な」などでもち麦を通常販売している。8月下旬には、県下初としてバイオ炭施用が分かるよう表示して販売を始める予定だ。

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