“選果”体験で現場体感を 篠ノ井東部青果物流通センター

JAグリーン長野
箱詰めする桃を改めて確認する営農技術員と生産者
箱詰めする桃を改めて確認する営農技術員と生産者

JAグリーン長野篠ノ井東部青果物流通センター(長野市篠ノ井)は7月下旬から、モモの出荷に合わせ、センター管内のモモ生産者に対し、選果作業の体験を通じて、選果の様子を知ってもらう「出荷判断研修会」を、初めて開いた。生産者と選果場の選果基準のすり合わせが目的だ。
開催は、昨年度の生産者からの多数の問い合わせがきっかけ。選果機に乗せる前に選果担当者が、果実表面の傷みや熟度から「規格外」と判断する「手選格外」が多い、との個別に生産者からの問い合わせに、伊藤哲也センター長と外谷瑞希営農技術員が選果場を案内しながら説明するなど対応。判断基準や理由等を知り納得する生産者が多いなかで、選果作業と生産者の判断基準のズレがあること、また、効率的な業務運営のためにも、研修日を設けて希望する生産者に選果の現場を実体験してもらい、基準のすり合わせにつなげようとしたものだ。
もも部会篠ノ井支部で同センターに出荷する生産者のべ47人が2~3人ずつ、7月22日から8月19日の午前・午後いずれかの時間に出席。8月3日午前には女性3人が出席、モモを選果機に乗せる作業の様子を見つつ、「規格外」の判断基準について、営農技術員から説明を聞きながら、規格外品を確認。その後、等階級に分けられたモモを箱詰めする作業を体験した。
出席者は、規格外の1階級上「赤秀」が流れるレーンで品物を箱に詰めながら、傷や色の程度を確認。出席者の一人は「出荷講習会に説明された基準に沿って家でかなり厳しく見てきたつもりだったが、選果機から流れてくるものを見て、自分の判断にもっと“幅”を持たせても良いことを確認できた」と話した。別の女性は、「規格外が多い気がしていたが、実際に選果の様子や規格外品を見て理由を聞いて納得でき、とても良い研修だった」と感想を寄せた。
伊藤センター長は「実際に現場を体験してもらうことで、規格外になる理由だけでなく、JAが部会の決めた基準に則りつつ、生産されたモモを1個でも多く選果機に載せ生産者の手取りにつなげようと選果作業を進めていることを知って頂き、生産者のみなさんにも基準を明確に持ち、収穫ロスにならないようにしてもらうきっかけになれば良い」と話した。
同センターでは、引き続き、もも部会の生産者と意見交換・情報共有を行いながら、部会・生産者と一体となり、共選共販の出荷量拡大と、生産者手取りの向上につなげていきたい考えだ。

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