漬物用として人気のある小梅は全国的に生産量が減少する中でも市場や加工業者からの需要は高く、生産量が追い付いていない状況となっている。JAみなみ信州でも「竜峡小梅」と「飯田小梅」の青果と加工用小梅を出荷し最盛期には約2,000人の部会員により3,530トンの生産が行われる小梅の産地であったが、生産者の減少や園地の老朽化などにより生産量が減少し、今年度の出荷量は165トンとなった。これを脱却し再び産地振興を図ろうと、近い将来には200トンまでの回復を目標に2022年度は部会員を対象に初めてとなる169本の苗木助成を実施。部会とJAが一体になって生産振興に取り組みを強めている。
JAみなみ信州果実協議会(梅部会)と同JA、JA全農長野南信事業所は7日、飯田市鼎の同JA本所で23度梅生産販売会議を開いた。同部会員、同JA役職員、取引会社関係者ら人が参加し今年度の生産販売経過と次年度の対策などについて確認し、意見交換を行った。同部会の河野通久部会長は「梅は植えたらすぐ収穫できる品目ではないが、小梅の産地として南信州が再び盛り上がるよう関係者一丸となって産地振興に取り組んでいく」と話した。
今年度は2~3月が温暖傾向で2週間ほど早く開花を迎えたが、その後の適度な降雨と高温により生育は順調に進んだ。5月中旬からの気温が平年並であったことから予想よりも小玉傾向での出荷となり、165トン(計画比122%、前年比103%)を出荷し、約5,600万円の販売実績となった。
市場関係者からは「小梅は出荷の時期やタイミングが重要。量販店とも連携した売り込みで売り場を確保していく。南信州には今年度以上の生産量確保を期待する」と次年度に向けた提言があった。
同部果実柿課で梅チーフの丸山大樹技術員は「南信州に対する市場からの小梅の需要や期待に応えるため、生産者の皆さんは小梅の生産に新しい樹を植え生産に励んでいる。生産者と一緒になって産地振興に全力で取り組む」と意気込んだ。