農の発展につながる道 地元農家が農道整備

JAグリーン長野
整備された農道
整備された農道

長野市真島町の生産者・住民組織「梵天沖農道建設委員会」は7月31日、同町内に農道を開通した。同市農林土木事業 農地整備事業を活用し、農道幅は4メートル、全長405.6メートル。周辺の耕作放棄地の解消、農作業の利便性向上に一役買ったものだ。
農道にはモモなどの果樹や水田が隣接。開通前は、30~40センチの畦道が通っているだけの場所で、大型機械の乗り入れが困難なほ場は耕作放棄地となっていた。
農道建設のきっかけは、2015年に遡る。当時、地元の農業委員で、梵天沖堤外せぎのせぎ堀にも参加していた小山英壽さん(同委員長)が、同事業を知り、地元に提案したもの。地権者等の調査を行い、16年に調査結果を地元に報告、梵天沖堤外堰農道新設検討委員会を設立し、私道としての建設が決まった。17年には長野市による現況調査が入り、農道着工が決まったものの、19年に発生した「令和元年台風19号災害」により工期がずれ込み、21年度に着工。合わせて新設検討委員会を建設委員会に改めた。
農道となった土地は地権者8人に提供を受け、農道幅4メートルのうち3メートルとアスファルト2.5メートル分は市の補助金で、残りは地権者が負担。工事は4期に23年6月末に工事が完了した。
委員会は7月30日、町内梵天公民館で「梵天沖農道開通記念式典」を開催。建設委員や地権者、長野市が出席し、テープカットを行い、農道を車で走るとともに、経過を振り返った。小山委員長は、「長い年月がかかったが、立派に仕上げていただいた」と喜びを滲ませ、「同じような場所が真島町内や各地にあるので、このケースをモデルに、地域農業の活性化につなげたい」と意欲を見せている。
小山委員長によると、農道に隣接するほ場は、農道によって機械侵入が可能となったため、大型機械を持つ法人により、作付けが開始される予定という。

MENU