JAあづみは27日、管内で最も収穫が早いリンゴの極早生種「恋空」を松本市梓川の果実南部選果所で初選果した。2023年産は春先の凍霜害の影響でサビ果などが見られるものの、夏らしい甘酸っぱくて爽やかな味わいに仕上がっている。
「恋空」の選果は8月7日頃まで続き、早生種の主力「サンつがる」は、盆明けの8月17日から選果を開始する予定だ。
27日までに持ち込まれた約1.5トンを選果スタッフらが傷の有無を確認し、選果機のセンサーで色や大きさを判定。「特秀」「秀」の2等級に分けて箱詰めした。選果した約150ケース(1ケース=10キロ)は28日、首都圏や県内市場に向けて出荷した。23年度は、直近10年で最も数量の多かった22年並みの1316ケース(1ケース=10キロ)の出荷を計画している。
リンゴ全体では22年対比2割減の約50万ケース(1ケース=10キロ)を首都圏や中京、関西、九州方面のほか、県内市場に出荷する予定。販売金額は20億円を目指し、市場関係者らと正確な産地情報の共有を通じて有利販売に努める。
「恋空」は青森県で育成された品種で、1玉250㌘ほど。極早生種では珍しく濃く鮮やかな赤色とジューシーな食感で、同JAでは、早生種「シナノレッド」や主力品種「つがる」の出荷前に販売できる品種として有望視している。
JA営農経済事業部果実課の小林鷹文営農指導員は「多様な企画販売を通じて1ケースでも多くのリンゴを市場や消費者に届けたい」と意気込んだ。