郷土の丸ナスの販売拡大を目指す 地元農家が試食会

JAグリーン長野
料理の特徴をアピールする組合員の女性
料理の特徴をアピールする組合員の女性

長野市松代町豊栄地区の定年帰農者で組織する「豊栄野菜生産組合」は7月26日、大手コンビニエンスストアおよびその商品手掛ける製造業者の商品開発担当の視察を受け入れた。業務加工用の「丸ナス」などを栽培し、おやき加工業者へ出荷する同組合では2021年から、大手コンビニストアの総菜製造業者への供給を始め、今年度も2品の新商品に使われている。今回、「地域の食材をより活用していきたい」という方針のもと、丸ナスを使った「郷土料理」に興味を持った業者からのオファーが試食会のきっかけだ。
試食会は同町豊栄公民館で開催。JA女性部松代総支部豊栄支部に所属する同組合の女性3人が、地元定番の「おやき」「油みそ」はじめ、「ナスのはさみ揚げ」「ナスの肉みそ乗せ」など8品を用意し、試食。商品開発担当者からは、試食した料理のレシピをはじめ、丸ナスにあった調理法、アレンジ方法などについて盛んに質問が寄せられた。
コンビニの担当者は、「改めて丸ナスという素材の可能性と良さを感じた」といい、「地元の方に好まれる定番レシピの商品化を最優先にしながら、一品に限らず、若い人からお酒を嗜む人など幅広い年齢層の方にご支持を頂ける商品を開発したい」と話した。あわせて「ナスの良さがあってこその商品なので、いいナスを供給していただきたい」と要請した。小林正男組合長は「たくさんナスも採れ始めているので、試食会を通じて、取引の拡大につなげ、安定量を生産・出荷していければ良い」と期待を込めた。
同組合参事の半田孝一さんによると今年度、定年帰農者15人の組合員が業務加工用ナスを取り扱う取引先3社へ7月10日から出荷を開始。コンビニ用総菜向けには5人の生産者が出荷を担当し、7月14日から日量約1,500個を出荷している。全体では4,000本の苗を定植し、約40万個の出荷と「年金+手取り100万円」、そして「豊栄の農地を守る」ことを目標に、10月頃まで出荷する。半田さんは「大手のコンビニ担当者が丸ナスの郷土料理に興味を持ってもらえるのは出荷量の拡大につながる機会、ぜひ取引拡大につなげれば良い」と話している。

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