養兎部会歴史に幕を閉じる 社会的にも多大な貢献

JAみなみ信州
解散総会での議事の様子(長野県下伊那郡阿智村で)
解散総会での議事の様子(長野県下伊那郡阿智村で)

JAみなみ信州養兎部会と同JAは14日、昼神温泉の鶴巻荘(下伊那郡阿智村)で同部会員、同JA役職員21人が参加し同部会の解散総会を開いた。同部会は長年に渡り医療用原料用兎の生産を行ってきたが、販売先の事業中止に伴い令和5年3月末をもって生産終了となった。同解散総会では2022年度の事業報告や収支決算書の承認、同部会解散の承認を行い解散となった。
同部会は1997年12月に発足し、当時は211戸で盛んに生産が行われ最盛期には約1億円の販売実績を上げた。販売先との契約により販売価格が安定的で、少ない土地や高齢者でもできる医療用原料養兎産業として発展し社会的にも貢献してきた。年々生産者が減少し解散時には26人となったが、昨年度は約3,000万円(出荷羽数8,594羽)の販売実績となった。
販売先の事業停止の申し入れを受け、同JAでは販売先、全農長野とも協議を重ね事業の継続や代替となる販売先を検討したが継続は叶わなかった。これに対し同JAでは生産者に向けて養兎に代わる生産品目の提案なども行ってきた。
同部会の酒井勝利部会長は「歴史ある産業が終了することは戸惑いと驚きがありとても残念。JAには様々な支援をいただき、最後まで生産者のためにご苦労いただいたことに感謝する」とあいさつした。
同JAの寺沢寿男組合長は「なんとか事業継続ができないかと働きかけたがJAグループとしても残念でならない。これまで中山間地域を多く抱えた当地域の農業振興に多大な貢献をいただいたことに敬意を表する。今後も生産者のご意見をいただきながら対応し、農業振興・安全安心な食糧の生産のために全力で努力していく」とあいさつした。
同JAは今年5月に行った功労者表彰で「生産および生活活動を通じ、生産の増大と生活の向上に努めた」として同部会を表彰した。

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