JA上伊那果樹部会は7月11日、伊那市の同JA本所で令和5年度JA上伊那果実市場販売推進会議を開いた。生産者や市場、JA職員など53人が出席。それぞれの立場から生育状況や取り組み事項などを共有した。
今年の果実は春先が比較的温暖だったことから生育は1週間ほど早く推移したが、5月中旬ごろからは例年並みの生育に戻っている。また4月に発生した凍霜害により、リンゴや梨を中心に着果不良やサビ果が発生している。現在出荷を迎えたブルーベリーは昨年に比べ5~10%ほど早く出荷が進んでいることから今後のリンゴや梨についても出荷のピークが早まる可能性がある。
会議の中でJA担当職員から管内の産地としての取り組み計画の説明があり、継続的な取り組みとして選果機を活用した糖度や内部品質の明確化による産地、食味の見える販売や販売先の要望に合わせた販売、これまでコロナ禍で自粛してきた販売先での試食宣伝会といった販促活動にも力を入れていくとした。
その後は6つの班で分科会を開催。「コストの販売価格転嫁についての考え」や「梨の新しい品種『天空のしずく』に対しての販売の取り組みについて」など、事前に出された質問についてそれぞれの立場から発言し、活発な意見交換が行われた。
同部会の村上孝治部会長は「今年は特に販促活動が販売のカギを握るのではないかと思う。生産者、JA、市場など関わる全ての人で知恵を出して検討していきましょう」とあいさつした。
今年は果実全体(リンゴ、梨、桃は共選のみ)で約11億の販売高を目指す。