諏訪平土地改良区第三工区が中干し 将来的な期間見直しも話題に

JA信州諏訪
イネの生育向上のため中干しを行っている水田
イネの生育向上のため中干しを行っている水田

諏訪平土地改良区第三工区は6月29日から7月5日まで、役員13人の呼びかけのもと組合員209人が水田の中干しを実施した。JA信州諏訪すわこ営農センターの指導を受け、イネの生育向上を目的に毎年この時期に行っている取組み。役員による将来的な中干し期間の見直しの検討も行い、持続可能な農業について皆で考えながら水稲栽培に励んでいる。
諏訪市の平坦部にある豊田・湖南地区は諏訪地域有数の稲作地帯。その中で同区は諏訪湖南東側水田58.1ヘクタールの維持管理を行っている。
中干しは期間中、揚水ポンプを停止して水田内の水を抜き、土壌にヒビが入るまで乾かす。このことで、土中に酸素を補給して根腐れを防ぎ、根の活力を高めることができる。また、過剰な分げつの防止や刈り取りの作業性を高める効果がある。さらに、土中の硫化水素、メタンガスなどの有害ガスを抜くことができる。
7月上旬の役員による草刈り作業とほ場巡回後には、将来的な中干し期間の見直しについて話題になった。中干しは用水の供給が不要となるため揚水ポンプの稼働が減り、電気代や発熱量の削減に繋がる。また地球温暖化の原因である温室効果ガスの削減に有効だ。温室効果ガスの排出削減量を国が認証する「J-クレジット制度」での中干し延長プロジェクトも紹介された。
副工区長の藤森重利さん(66)は「日頃の営農活動で容易に取組め、水稲の生育状況を見ながら品質や生産性に影響がないことが確認できれば、地球環境のことを考えると中干しについて意識していくことは大切だと思う」と見解を示した。

MENU