JAみなみ信州は下伊那郡高森町の高森町商工会が行う経営支援事業「5S・プロジェクトチャレンジ」を活用して、無駄を徹底的に排除し工業的視点から改善を図る「トヨタ生産方式」の改善トレーナー導入による同JA総合集荷販売センター(下伊那郡豊丘村)の作業効率化を図っている。5日、同プロジェクトの現場改善トレーナー2人と同商工会会長ら2人、同JA営農部職員2人が豊丘村の同センターを訪れた。同JA営農部職員が同センターのタイムスケジュールや各地域の集荷時間などの現状について説明したあと施設内を視察し改善点を検討した。
同センターは、野菜・花き・個選果実など様々な品目・規格商品が管内各地から集まることから、荷受け・仕分け・出荷・伝票管理などセンター内での管理が難しく職員の負担も大きくなっているなど課題が多くある。この日の視察を終えトレーナーからは“各地域で集荷したトラックの到着時間を把握しコントロールすること”や、“予冷庫の使い方を仕組化すること”で効率化が図れる可能性があるなどの提案を受けた。
同JA営農部の木下雅夫次長は「少量多品目生産が当地域の特徴でもあるが、様々な品目・規格商品が一堂に集まる集荷センターの効率化がますます重要になっている。生産者の負担を少しでも減らすために専門家の力を借りながら効率化を図り改善に向け取り組んでいきたい」と話した。
同JA営農部では同JA果実選果場(いいだ・松川インター)でも同プロジェクトの導入を検討しており、利用事業全体で効率化を図っていく。
同JAの自己改革として取り組む「営農・経済事業の成長・効率化プログラム」では課題解決策の一つとして「赤字圧縮に向けた施設利用料の設定」を取り上げ、改善を図っている。同JA営農部では、肥料や燃料など生産コストが高騰する中、施設利用料の見直しと同時に費用圧縮に努め、利用事業の利用料を削減し生産者の負担を軽減する方法を模索してきた。同プロジェクト導入により改善箇所を発見し、作業効率の向上を目指す。