木島平村 地域住民で守る憩いの場 開設10周年イベント開催

JAながの
来場者と懇談する眞篠代表(中)
来場者と懇談する眞篠代表(中)

木島平村で高齢者や地域住民の交流の場を提供する「寄らし・来らし 夢ひろば」が7月1日、開設10周年を記念しイベントを開いた。同施設は、「誰でも気軽に立ち寄れる憩いの場所」を作りたいとの思いから、2013年に当時閉鎖した旧JA地区組合員センターの建物を活用しスタートした。JAながの女性部みゆき地区木島平支部の有志が、主体となり運営している。イベント当日は軽トラ市や名物笹寿司の販売、地元中学のダンス同好会がイベントに花を添え地域住民が訪れ、にぎわいを見せた。
開設当初はお茶のみやおしゃべり、悩み相談など気軽に会話ができる場であったが、近くにスーパーがなく、買い物に行けない高齢者を考慮し、農協宅配センターと連携し調味料やお菓子など日用品の販売も始めた他、利用者が自分で作った野菜を持ちより、来所者が思い思いにいただいていき、この10年間で多様に変化してきた。
施設は診療所や郵便局、薬局などが集まる立地条件もあり、夢ひろばに立ち寄る利用者も多いという。コロナ禍で開所時間が短縮され、現在は9:30~12:00まで利用できる。多い日には20人を超える利用者らが交流を深めるなど地域の拠り所としての役割を担っている。10年間で延べ4万3千人あまりが利用してきた。
代表の眞篠淳子氏(80)は、「こうして10年続けてこられたのは地域の皆様や利用者の協力、なによりスタッフの賛同があったからこそ。JAには施設を無償で提供いただくなど全面的に支援をいただいている」と感謝を話す一方、「開所から10年が経ち、私たちも年を重ねた。今後の在り方を検討していきたい」とも話す。
眞篠代表は保健師の有資格者であり利用者からの簡単な健康相談にも応じ、「最も身近な相談所」として相談者も多い。現在は15人のスタッフが日替わり当番で地域の拠り所を守っている。名称の「寄らし・来らし」は木島平村に古くから伝わる民宿節の中かの1節を取った。

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