草刈り作業の省力化を実現

JAながの
設置した「雑草抑制おまかせネット」の様子を確認する小林さんとJA職員(山ノ内町佐野地区 写真右:JA職員 写真左:小林さん)
設置した「雑草抑制おまかせネット」の様子を確認する小林さんとJA職員(山ノ内町佐野地区 写真右:JA職員 写真左:小林さん)

JAながの志賀高原地区で、傾斜地の畦畔(けいはん)やのり面を覆うシート状の資材「雑草抑制おまかせネット」の普及が進んでいる。同地区は山間部にあり、果樹の他、水稲や野菜を栽培。この資材は、雑草を覆う一度の作業だけで、草刈り作業中の事故防止と作業の省力化を実現。農家は草刈りに費やしていた時間を他の管理作業に充てられるようになった。
同地区で主に栽培されている果樹の品目はリンゴやブドウ、プラムなど。4月から9月まで続く草刈り作業は、定期的に刈り取りが必要なため、高齢者に限らず休日応援の家族も作業を行う。高温や降雨後の条件の中、傾斜45度以上の園地では草刈り作業で足を滑らせることが多く、長時間の作業による熱中症も発生している。
これらの課題を解決する対策として、JAは「雑草抑制おまかせネット」の普及に取り組んできた。
この資材はポリエチレン製で、目合い1ミリほどのネット。固定するためにストッパーも必要だ。雑草が成長すると膨らんで盛り上がるが、ネットを破ることはなく、成長を抑えられる。光や風、雨水を通すため雑草の根が張りめぐらされて、土砂崩れ防止にもつながっている。
生産者の間で評判が広がり、地区内では今年6月末までに、1万3700平方メートルに設置されている。
この資材を使うリンゴ農家の小林和幸さん(52)は、省力化について「草刈り作業は春から秋まで、忙しい合間をぬって定期的にしなければならない。その重労働がなくなって、本当にありがたい」と話す。雑草の発生を抑えるにも有効だと感じている。
JAは今後も生産者の声を聞きながら、地域に合った資材の提案をしていく考えだ。

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