JAみなみ信州畜産協議会、同JA、JA全農長野県本部は6日、飯田市大瀬木の三尋石集畜場で第74回下伊那子山羊市場を開催した。血統書付きの日本ザーネン種の子山羊のみを扱う日本で唯一の市場で、県内の他、九州や関東地方など日本全国から購買者が集まった。近年は家畜としてだけではなく、ペットや除草用としても注目されており、管内でこの春生まれた23頭が競りにかけられた。
同市場の前には共進会が行われ、飯田家畜保健衛生所や(公社)畜産技術協会の役職員らが審査員を務め、出品された雄6頭と雌10頭の体格や毛並みなどを評価。豊丘村の久保田勝さんが出品した雌山羊が県知事賞に選ばれた。久保田さんは「2回目の出品で栄誉ある賞をいただき驚いている。自身の健康管理も兼ねて飼育を始めたが、名前を呼ぶと付いて来るなど家族の一員になっている。愛情込めて飼育しておりさみしいが立派に成長してくれてうれしい」と目を細めた。
同市場では飯田下伊那地域で今年の2月20日から5月10日に生まれた子山羊23頭(雄6頭、雌17頭)が競りにかけられ、21の個人と2つの団体が購買者として参加した。静岡県から参加し雌1頭を競り落とした片桐邦雄さん(71)は「すでに自宅で6頭の山羊をペットとして飼育しかわいがっている。血統書付きのザーネン種が魅力で昨年もこの市場に参加した。今年も新しい家族を迎えることができてうれしい」と話した。
雄の平均価格(税込)は64,717円で、最高価格は88,000円。雌の平均価格は73,312円で最高額は178,200円、全頭平均では71,070円。
同JA営農部畜産課の仲平信二課長補佐は「23頭全ての行き先が決まり安心した。この地域の山羊とともに暮らしてきた文化と、伝統ある市場を維持できるよう生産者とともに努めていきたい」と話した。
共進会の入賞者は次の通り
▽県知事賞=久保田勝さん(豊丘村)◇雌の部▽特別優秀賞=久保田勝さん(豊丘村)▽優秀賞=久保田勝さん(豊丘村)▽優良賞=川上健吾さん(下條村)◇雄の部▽特別優秀賞=玉川翔さん(阿南町)▽優秀賞=一英明さん(飯田市)