宿根カスミ草オリジナル出荷資材「花カーゴ」導入2年目 市場・消費者から高評価で有利販売めざす

JA信州諏訪
花カーゴを用いた宿根カスミ草の出荷形態
花カーゴを用いた宿根カスミ草の出荷形態

JA信州諏訪宿根カスミ草部会のオリジナル出荷資材「花カーゴ」での出荷が2023年度、2年目を迎えた。組み立て式段ボール箱に処理液を入れるポリ袋を貼り付けた資材で、市場・消費者から評価が高い。6月26日の第1回出荷査定会で荷造り方法を徹底。今年度は全生産者35人が初出荷時から使用し、管内産宿根カスミ草の有利販売をめざす。
花カーゴは2022年8月、資材メーカーの協力のもと3日目販売の取組みの一環で導入。3日目販売は、せりの前々日に全箱開封検査し、市場に出荷情報をより早く発信するもの。通常販売より情報発信から販売までに余裕ができ、市場が売り込みやすく、有利販売につながる方法だ。
縦99センチ横29センチの組み立て式の段ボール箱に、茎を立てるため中央に穴を開けて処理液を入れるポリ袋を貼りつけるつくりになっている。処理液は、これまでのプラスチック資材より1.8倍増の900ミリリットルを注げ、鮮度を保った状態で3日目販売を行える。
出荷査定会では、クラフトテープを使って出荷箱に花カーゴを固定することや処理液量の厳守を確認した。
花カーゴは関係者からの評価も上々。大阪府の西日本花き株式会社切花営業部の藤倉達朗課長は「プラスチック資材は茎が処理水に浸かりきらなかったり、輸送時に処理水が漏れたりすることがあった」と振り返る。「花カーゴは問題なく、高品質な宿根カスミ草が届き、3日目販売で販売先も見つけやすい」と話す。また、藤倉課長によると消費者からも「花カーゴはプラスチック資材よりも処分しやすい。花も取り出しやすくて助かる」と好評だという。
同部会役員の小林隆幸さん(72)は「花カーゴは組み立てが必要な分、慣れるまでは少し大変だが、市場や消費者から好評と聴き導入した意義を感じている。生産者皆で信州諏訪の宿根カスミ草を守っていきたい」と話している。

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