ナガイモネット共同実験 環境負荷軽減とSDGsめざす

JAグリーン長野
「生分解性ナガイモネット」を張る生産者
「生分解性ナガイモネット」を張る生産者

JAグリーン長野は、長野県野菜花き試験場と長野農業農村支援センターと共同で、「生分解性ナガイモネット」の実証実験を6月7日、長野市松代町の長芋ほ場で初めて行った。プラスチック不使用のネットへの代替が効果的であるかを検証する。
長芋の産地である当管内では、プラスチック使用の長芋栽培用ネットを使い、長芋の蔓を這わせる。軽く、耐久性がある一方で、使用後の処理に負担がかかり、畑に残存した場合の環境負荷を懸念する。
県野菜花き試験場では、愛知県の松山毛織株式会社と連携し、野菜栽培用ネットを試作。今回使用するのは、昨年度山形村行った実証実験の結果に基づき、耐荷重を20kgから7kgへと強度を改良した綿100%のネット。ほ場に残っても堆肥化が期待でき、環境への負荷が軽減できる。当産地で活用される慣行品に合わせ、高さ1.8メートル、網目18センチ角、長さ65メートルのネットを特注した。
実証ほ場は、同JA野菜部会根菜専門部の上原幸治専門部長の協力で4畝(1畝=約50メートル)に設置。155センチ間隔に立つ支柱に、ネットをかけるためのひもを上下に張ってある状態から検証をスタート。関係者が見守る中、慣行品と同様の作業手順で上原専門部長と妻が実証用ネットを張った。上原専門部長によると作業時間は慣行品と同程度で終了。「プラスチック製に比べて重さがあり、ネットの滑りが悪いが、慣れれば扱いやすく伸びやすい」と期待を込める。今後、蔓の這いやすさや栽培途中で切れることがないか、また、風の影響など耐久性を検証。県野菜花き試験場の担当は、実証結果をメーカーにつなぎ、結果によってメーカーにおいて商品化も検討されるという。JAと同専門部でも希望者に見学をしてもらうほか、結果により導入を検討し、SDGsへの貢献や環境にやさしい農業につなげたい考えだ。

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