JAグリーン長野果実専門員会は6月8日、「令和5年度果実販売推進会議」を開いた。市場を産地へ招いた開催は4年ぶり。生産者は市場と直接対面し、産地の状況や生産者の思いなど生の声を「直接」市場関係者に伝えJAグリーン長野産農産物販売拡大を求めた。
会場には、果実専門委員会(りんご部会・もも部会・ぶどう部会・特産果樹部会それぞれの正副部長、支部・専門部正副部長)とJA役職員、JA全農長野、重点取引市場11社16人の果実担当が一堂に会した。JA管内の果実品目の生育状況今年度の販売方針をJA職員が説明。4月に3度の凍霜害・低温、5月には一部地区で降ひょうが発生し、果実の各品目とも収量減や品質低下などが懸念される状況。営農指導や特別集荷など対策を講じ、生産者手取りの確保につなげる考えを示し、市場へも連携協力を要請。肥料等の生産資材の価格高騰も含め、市場は、産地に還元できる販売を約束するとともに、量を確保した出荷を求めた。栗林和洋組合長は、生産者の努力と市場の協力に感謝を伝え、自然災害の影響受けた生産者へ支援を約束し、「物価が上がっている中で、販売価格がきちんと転嫁できるようにしたい」とJAとしての販売力強化とを表明。市場に対しては「1円でも高い販売」を要請した。
田中慶太果実専門委員長は、「昨年に比べ気持ちが前向きになりにくい年になってしまっているが、危機の時こそ変革のチャンス。この会議を機に、気持ちを前向きに、おいしい果物を作れるように頑張っていこう」と呼びかけた。
会議の前段には、部会ごとに分科会を開き、産地状況や消費動向を含む産地ヘの要望などを情報交換。玉川晴美部会長は「ぶどうは1年で最も忙しい時期で、出席する生産者に怒られてしまうかと思ったが、非常に有意義な会議だった。作りやすいブドウを作るのではなく、長野県だからこそ作れるブドウを作ること、大きなブドウを作るのではなく、おいしいブドウを作っていきたい」と目標を新たにしていた。