諏訪大社上社恒例の「御田植(おたうえ)祭」が6月4日、諏訪市中洲の上社本宮近くにある藤島社の斎田で行われた。大勢の氏子や家族が斎田を取り囲み、白装束に赤いたすき、すげがさ姿の早乙女23人が緊張した面持ちで、うるち米「スワヒカリ」の苗を植え、豊作を願った。
早乙女は諏訪市、茅野市、富士見町、原村の14~27歳の未婚女性から選ばれた。同日は本宮での神事を終えた後、400メートルほど離れた斎田へ歩いて移動。草履を脱いで素足で水田に入り、耕作奉仕会の前澤要耕作長(72)の指示に従い、丁寧な手つきで慎重に苗を植えた。
家族が見守る中、大役を果たした諏訪市豊田の関藍花さん(15)は「初めての体験で緊張したけど、忘れることのできない思い出ができた。願いが叶って豊作になれば嬉しい」と思いを語った。
前澤耕作長は「笑顔も見られ無事に終了してほっとしている。秋の新嘗祭に向かって豊作を期待したい」とまずは安どの表情を浮かべた。