上伊那農政対策委員会は第27回上伊那農政対策委員会総会を伊那市のJA本所で開いた。農業委員や農家組合代表、JA上伊那の職員など118人が出席。2022年度事業報告、23年度事業計画などを承認したほか、「持続可能な農業の確立に向けた緊急決議」を満場一致で可決した。
22年度は、国の施策・制度の大きな変更への対応として「インボイス制度の影響緩和」、「水田活用の直接支払交付金の見直し」について、国会議員をはじめ関係各所に陳情や要請を行った。また、長引く資材等の価格高騰に対して「燃油、肥料、飼料価格高騰への対策を求める要請書」を管内8市町村に提出。市町村独自の支援対策実施につながった。そのほかにも、JAなどが行う食農教育や花育事業への支援や、上伊那産の生花を紹介文とともにJA本所・支所に月替わりで展示するなど、農業理解促進と消費拡大運動にも取り組んだ。
23年度は、農業の持つ多面的機能や小規模・家族経営も含めた多様な担い手がそれぞれの役割を果たし農業・農村を守ることがいかに重要であるかを訴え、政治と生産現場の距離を縮め、生産者の声が政策に反映されるような農政運動を進めていく。
総会後には学習会が開かれ、JA全中農政部の加藤純次長が「農政をめぐる情勢とJAグループの取組について」と題し講演。農業所得を増やすための取り組み事例や農政運動の必要性、これまでの成果などを紹介した。
JA上伊那の組合長で同委員会の西村篝委員長は「後継者不足が問題となっている現在、生産基盤や経営基盤の確立をめざし、多様な担い手への園地継承・事業継承に対する支援などをしっかりとしていきたい。今年は正念場となるが皆さんとともに前に進めていきたい」と話した。