11日、飯田市上郷の高田一仁さんは(42)自身の水田で、同センター、同JA職員、ドローン業者、農薬メーカー職員ら15人が見守る中、農業用ドローンによるWCS(飼料用稲)の直播栽培の播種作業を行った。高田さんはスマート農業導入による米の栽培面積拡大を視野に令和4年度にドローンを導入し、直播栽培への活用は2年目。WCSへのドローンの活用事例はこの地域では他にないことから、今年度は長野県南信州農業農村支援センターやJAみなみ信州も協力し除草剤散布の効果試験や生育状況の確認等を行い、今後地域での栽培普及に繋げていく考え。
この日は高田さんがドローンを操作しWCS用品種「つきすずか」90aの散布を実施した。佐藤健飯田市長もかけつけ、高田さんに散布方法等やスマート農業の現状について確認する場面も見られた。
高田さんは「普通品種でも安定した栽培技術が確立すれば省力化が可能となり、地域の水田の維持につながる」と期待を寄せる。
同JAでは、今年度より高田さんに業務委託し地区内のドローンによる防除の取りまとめを行っている。同JA営農部の木下雅夫次長は「この地域でもドローン散布によるカメムシ被害低減の効果は既に実証されており、ドローン散布の検討をきっかけとして、お米の品質向上と地域計画の策定、農家組合の活性化に繋げたい」と話した。
同センターと同JAは普通品種についても今年度コシヒカリ30a、天竜乙女10aの作付けも行い、栽培試験を行っていく。